発明のDNAを受け継ぐ者たち「東芝が築く新時代の組織開発」

Client 株式会社東芝様
Overview
東芝は、1875年の創業以来、日本を代表する総合電機メーカーとして、150年近く革新技術をリードしてきました。「すべての人々に豊かさを届ける社会基盤を提供する」という使命を掲げ、活動する人事の取り組みについて、NOLKAの支援内容と共にお話を伺いまいました。
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渡辺 真亜知 氏
人事・総務部 人事企画第一室
人材・組織開発企画グループ
スペシャリスト
(写真:左) -
有馬 絵里花 氏
人事・総務部 人事企画第一室
人材・組織開発企画グループ
(写真:右)
東芝“再成長”に向けた人事の取り組み
人材・組織開発企画グループは、主に3つの領域に取り組んでいます。
1つ目は、東芝グループ全体の教育企画を行うこと。2つ目は、エンゲージメントスコアを中心とした従業員モチベーションやエンゲージメント向上施策をグループ全体で考え、解決策を企画すること。3つ目は、DIB(ダイバーシティ・インクルージョン・ビロンギング)の観点で、いかに従業員の多様性を担保しながら、インクルーシブな環境を作り、それが中長期的な組織の帰属意識や一体感の醸成へと繋げる活動を行っています。要は、自分の居場所がここにある。と広く従業員の皆さんに持っていただける取り組みを行っています。
これら3つの領域の中で、色々な施策の立案や組織間の連携をさせていくような機能を担っています。

東芝のDNAを紡ぐエンゲージメント改革
当時の東芝では、従業員のエンゲージメントを上げるような施策が必要だよね。という漠然とした課題感を持っていました。ただ、まだ私たちも一つのエンゲージメント指標に対して、どのようにアクションを取ればいいのか?全然分からないよね。推進していくために必要な考え方やポリシーに迷いがありました。また、22年度には、エンゲージメントサーベイの仕組みを変え、サーベイ取得から結果の公開まで、リードタイムを短くする取り組みに着手していました。そのような中で、なぜ、こういったことをやる必要があるのか?なぜ、この施策が大事なのか?という所の味方作りを行う必要がありました。
その場面で、NOLKAに支援をいただき、エンゲージメントが高まっている状態とは、私たちにとってどのような状態なのか?エンゲージメントを高めていくための心構えやポリシー、他社事例を含め、壁打ちを含めた健全な議論をさせていただきました。
以前行ったデザインワークの時に、「発明者を発明する。」というキーワードが出たと思うんです。その時、東芝のDNAはそこにあると感じました。
ものすごい優秀な方たちのひらめきを形に起こす。そんな集団だと思っているんです。なので、それが永続的に続くような組織や場所を作りたい。そう考えています。

過去から未来へ。対話がつなぐ個と組織
エンゲージメントについて言うと、即座に結果が出る仕組みに変えて、今まで、集計や結果に2ヶ月程度かかっていましたが、それを数日に短縮することができました。これまでは、結果が出てからアクションを考えると、リードタイムも長く、もうみんな忘れちゃってるよ。という状態でした。
それを大幅に改善でき、スピードが爆上がりしました。
それと同時に、サーベイは対話だと思っていて、それを実践することが大事だと思っています。いかに早く経営陣と対話し、経営陣と問題意識を共有するか。そういった意味では、成果は大きいと感じています。
現在は、経営環境もだいぶ変化があり、東芝の再成長に向けて動き出しているところです。
サーベイは色々な見方がありますが、今までは結果を見て、人事が作った報告書を経営陣が承認して、後はよろしく。というような世界でしたが、経営陣への通知表である。という要素が強まり、何か行動に起こさなきゃ。動かなきゃ。「未来の東芝に向けた対話の糸口。」という風に変わってきています。ここ2年で大きく変わってきたところだと感じています。

多様性から始まる成長とイノベーション
多様性推進の活動も力を入れている取り組みです。女性活躍やLGBT、障害者など、色々なアジェンダはありますが、形だけの多様性ではなく、東芝で多様な人材が働くことで、組織の競争力や持続可能な成長を一人ひとりが実現できるようにすることだと思っています。帰属意識を感じ、明日も頑張ろう。そう思える。そういう環境を作ることが大事なんじゃないかと思っています。
昨年、東芝グループでは、多様性(Diversity)、公正性(Equity)、包摂性(Inclusion)、帰属意識(Belonging)を統合した「DEIB方針」を定め、従業員が能力を最大限に発揮できる企業文化の醸成を目指しており、女性活躍推進や外国人従業員の採用・活躍推進、障がい者雇用、LGBT+とアライの支援に取り組んでいます。
本当にやりたいのは、東芝にいることが自分のためになり、自分の成長が組織の成長に繋がり、やがて顧客や社会の課題解決につながる。そんな姿を目指しています。
現在は、教育体系を見直す動きをしています。東芝は人への教育投資も熱心なため、大事だから、何でも詰め込んでいる感覚も少なからずあります。その状態から、役に立つスキルや知識に絞り、意図を持ち設計する。そんなことをこれから進めていくつもりです。
私たちの組織は、教育というツールで人に介入もできるし、組織というツールで管理職やチームに介入することもできる。直接従業員の皆さんにライブ配信の形や直接の対話会などで話すこともできると考えています。どんな形であれ、一人ひとりの従業員の皆さんが、自分ならこれができる。と自信を持って、自己効力感を持って毎日の仕事に臨んでいただきたい。
そんな想いを持った人を増やしていきたいと思っています。

Profile 企業プロフィール
株式会社 東芝様
エネルギー、インフラ、デジタルソリューション、電子デバイスなどの分野で事業を展開する総合企業技術です。持続可能な社会の実現を目指し、再生可能エネルギーやAI・IoTを活用した革新的なソリューションを提供しています。社会基盤を支える技術と未来志向の開発で、世界中の人々の暮らしに貢献しています。
創業 | 1875年(明治8年)7月 |
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事業内容 | エネルギー、インフラ、デジタル技術を軸に持続可能な社会基盤を支える継続的なソリューションを提供する総合技術事業を展開 |
売上高(連結) | 3兆2,858億円 |
従業員数(連結) | 105,331名 |
Client 株式会社東芝様
発明のDNAを受け継ぐ者たち「東芝が築く新時代の組織開発」