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会社が、また好きになる瞬間 — その気づきは、理念に向き合う時間から始まった

キグナス石油株式会社

Client キグナス石油株式会社様

Overview

キグナス石油株式会社は、エネルギーの安定供給を通じて地域社会の暮らしを支え続けている企業です。安全・安心を大切にしながら、社員一人ひとりの誠実な仕事によって、日々の事業が成り立ってきました。
一方で、事業環境が変化する中、これまで当たり前のように共有されてきた理念や価値観を、あらためて自分自身の言葉で捉え直す機会は、必ずしも十分ではありませんでした。「この会社は何を大切にしているのか」「自分の仕事は、どこにつながっているのか」。そうした問いに、立ち止まって向き合う時間が求められていました。

今回キグナス石油では、従来の階層別研修という枠組みを超え、全社員を対象とした理念浸透研修を実施しました。理念を「教える」場ではなく、対話を通じてそれぞれが自分の経験や仕事と結びつけて考える時間をつくることで、理念を自分ごととして捉え直すことを目指しました。

研修後には、「あらためて会社が好きだと感じた」「自分がこの会社で働く意味を考え直した」といった声が多く聞かれました。理念に触れ直すことで、会社への想いや誇りが静かに、しかし確かに社内に広がっていったのです。
本事例では、理念を起点に人と組織の関係性を見つめ直し、想いが社内を流れはじめたプロセスと、その取り組みにおけるNOLKAの支援内容をご紹介します。

  • 仲田 喜昭氏

    仲田 喜昭 氏

    総務部 人事グループ長

  • 有路 由莉子 氏

    有路 由莉子 氏

    総務部 人事グループ

  • 戸出 海勢氏

    戸出 海勢 氏

    総務部 人事グループ

理念に向き合い続けてきた、その先で

キグナス石油では、これまでも経営理念の浸透に向けた取り組みを継続的に行ってきました。毎年の階層別研修を通じて、理念や考え方を伝え、理解を深める場を設けてきたといいます。
 昨年には研修の内製化にも挑戦し、自社として理念浸透にどう向き合うかをあらためて見つめ直してきました。

そうした積み重ねがあったからこそ、人事部門の中で次の問いが生まれました。

「理念や新たに策定したバリューは、社員一人ひとりの仕事や判断と、どこまで結びついているだろうか」


 理解している/知っている/という段階から、自分の言葉で語り、日々の行動に照らして考える段階へ。


理念浸透の取り組みを“続けてきた組織”だからこそ、その先の姿を描きたいという思いが強まっていったのです。

人事部門が感じていたのは、従来のやり方を否定することではありません。
 むしろ、これまでの取り組みを土台にしながら、理念やバリューをより深く、より実感を伴う形で共有するために、次の一手が必要なのではないかという問題意識でした。

仲田 喜昭氏

階層を越えた対話へ

これまでの階層別研修は、それぞれの立場や役割に応じて理念を考えるうえで、一定の効果を上げてきました。一方で私たちは、理念やバリューを「組織の共通言語」として根づかせていくためには、異なる視点が交わる場が必要だと考えるようになりました。


同じ理念であっても、立場や部門、年次が異なれば、捉え方や結びつく経験は異なります。その違いを持ち寄り、語り合うことでこそ、理念は組織全体のものになっていくのではないか。そうした考えから今回、キグナス石油では従来の階層別という枠組みを一歩進め、異なる階層・部門・年次の社員が混在する、全社員参加型の理念浸透研修を企画しました。


目的は、理念や新たに策定したバリューを一方的に伝えることではありません。互いの考えや経験に触れながら、自分自身の仕事と照らし合わせて考える。そのプロセスを通じて、組織横断的な視野の広がりと、一体感の醸成、そして新しい価値創造への意識変革を促すことでした。

このフェーズにおいて私たちは、研修の「中身」をつくること以上に「どのような場を設計するか」を重視しました。理念とバリューを、次の段階へと進めるための挑戦が、ここから始まったのです。

人事部門の役割が、少し変わった瞬間

今回の理念浸透研修において私たちが意識していたのは、理念やバリューの「正しい理解」を示すことではありませんでした。
むしろ重視していたのは、社員一人ひとりが、自身の経験や日々の仕事と結びつけながら考え、言葉にしていくプロセスを支えることでした。

理念やバリューには、あらかじめ用意された一つの正解があるわけではありません。
立場や部門、年次によって、そこに重ねる経験や感じ方は異なります。
だからこそ私たち人事部門は、何をどう解釈すべきかを教えるのではなく「安心して考え、語れる場」をつくることこそが、自分たちの役割だと捉えました。

全社員を対象に、異なる背景を持つ社員同士が対話する場を設計することは、決して簡単な取り組みではありません。
発言のしやすさや議論の深まり、立場の違いによる影響など、細やかな配慮が求められます。


そうした中で私たちが担ったのは、研修を“管理する”ことではなく、対話が自然に生まれ、理念と個人の経験が結びついていく環境を整えることでした。理念やバリューを浸透させる主体は、あくまで社員一人ひとりです。
人事部門はその前に立つ存在ではなく、少し後ろから支える存在として関わる。
今回の取り組みは、私たちにとっても、理念浸透における役割をあらためて捉え直す機会となりました。

有路 由莉子 氏

一緒に考えるパートナーとして

今回の理念浸透研修において、キグナス石油が外部パートナーとしてNOLKAを選択した背景には、研修の「内容」だけでなく、「対話の質」そのものを高めたいという意図がありました。


定例会では、「こういうことができたら面白いのではないか」「社員一人ひとりが、もっと自分ごととして理念やバリューに向き合える方法はないだろうか」といった、まだ言葉になりきらない構想が共有されていました。

その一つとして、参加者自身の普段の仕事や行動と、経営理念・バリューとの関係性を対話を通じて整理し、その内容を可視化する事前課題を設けました。この取り組みは、人事部門からの「やってみたい」という声を起点に、定例会の中で議論を重ねながら形にしていったものです。

NOLKAは、この構想を一方的に設計するのではなく「それを実現するとしたら、どんな体験になるのか」「参加者にとって無理のない形は何か」を人事部門とともに考え、事前課題のツールづくりまで伴走しました。その結果、研修当日を迎える前から、参加者の中にはすでに「自分にとって理念やバリューとは何か」という問いが立ち上がっていました。

研修本編では、こうした内省を土台に、「自分が社長だったらどう判断するか」というオリジナルケースを用いた対話を実施しました。
 一時的に自分の立場を離れ、会社全体を俯瞰する視点に立つことで、理念やバリューを意思決定の軸として捉え直す。異なる階層・部門・年次の社員が混在する中でも、立場の違いが新たな視点として受け止められていきました。

さらに今回のプログラムでは、理念やバリューについての対話を、将来の経営にどうつなげていくかを考える時間として、「中期経営計画に向けたアイデア創発ワーク」を実施しました。

事前課題や社長視座での対話を通じて深まった理解や視点を土台に、「これからのキグナス石油にとって、どのような挑戦や価値創出が考えられるか」をグループで議論。理念やバリューを単なる考え方として終わらせるのではなく、将来に向けた具体的な構想へとつなげていきました。

ここでは、完成度の高いアイデアを出すこと以上に、理念やバリューを“経営の言葉”として扱い、未来を考える思考プロセスそのものを共有することが重視されました。

こうした一連の関わりに対して、「定例会の進め方からコンテンツ設計、当日のファシリテーションまで、一つひとつが丁寧だった」「ここ最近で最も評価の高い研修だった」という声が寄せられています。

戸出 海勢氏

会社が、また好きになる瞬間

研修の最後には、いわゆる「チェックアウト」として、参加者一人ひとりがこの時間を通じて感じたことを言葉にするセッションが設けられました。
事前課題での内省、当日の対話、社長視座でのケース検討を経て、あらためて自分自身と会社の関係性を振り返る時間です。

この場で多く聞かれたのは「改めて、この会社が好きだということに気づいた」という声でした。
 理念やバリューを理解した、納得した、という表現以上に、「自分はこの会社の一員であることをどう感じているのか」が、自然と言葉になっていきました。
印象的だったのは、ベテラン社員からの発言です。
「昔のように、もう一度熱くなって仕事を盛り上げていきたい」。
長く会社を支えてきたからこそ語られたその言葉は、理念やバリューが過去の記憶と結びつき、これからの仕事への意欲として立ち上がった瞬間でもありました。

立場や年次の違いを越えて交わされた言葉は、共通の正解を導くためのものではありません。
それぞれが、自分なりの想いを持ち寄り、互いに受け止め合うことで、「この会社で働く意味」が少しずつ立体的になっていく。
チェックアウトの時間は、理念やバリューが一人ひとりの中に静かに根づき始めたことを実感させる場となりました。
理念浸透とは、考え方を揃えることでも、熱量を一時的に高めることでもありません。
 一人ひとりが、自分の経験や想いと結びつけながら意味づけを行い、その想いが組織の中を巡り続けていくこと。

理念は、伝えるものではなく、何度でも立ち返りながら、自分たちの言葉で意味を更新していくものなのかもしれません。

Profile 企業プロフィール

キグナス石油株式会社様

石油製品の安定供給を基盤に、全国のサービスステーションネットワークを通じて、暮らしと産業を支えるエネルギー企業です。
「エネルギーの安定供給により、地域社会に貢献する。」という考えのもと、安全・安心を最優先に、時代の変化に応じた事業の進化に取り組んでいます。 エネルギーを取り巻く環境が大きく変化する中、同社では単なる燃料供給にとどまらず、環境対応や新たな価値創出にも積極的に挑戦しています。
こうした事業活動を支えているのが、一人ひとりの社員の判断や行動であり、その拠り所として経営理念やバリューを大切にしています。

設立1972年2月1日
事業内容各種石油製品の販売
売上高3,813億円(2024年4月~2025年3月)
従業員数80名(2025年3月31日現在)

Client キグナス石油株式会社様

会社が、また好きになる瞬間 — その気づきは、理念に向き合う時間から始まった